踊らない小人
踊らない小人
物置き小屋で躍りの練習をしていた小人は、ふと壁に置かれている
四角い物体を目にする。
そこには、世にも醜い物体がいて、こちらをのぞきこんでいた。
「なんとまあ、不細工でみにくい存在であることだろう」
小人はその四角い物体の中にいるものを見て激しく嫌悪する。
しかもその世にも醜い存在は、自分の動作のマネをしている
ああ、なんて薄気味悪い野郎なんだ。
しかし、まもなくしてその四角い物体が、この世のありとあらゆるものを写す道具であることを知り、、
その四角い物体に写っている世にも醜い存在の正体こそが、ほかならぬ
自分であることを知ってしまった小人の心臓は、驚きと嘆きのあまりに停止してしまう。
動かなくなった小人を見て、王女はいらだった。
「さあ、いつものように躍りなさい、私の前で踊りなさい、どうして
躍らないのだ?」
「王女さま、残念ながら、小人の心臓がもう止まってしまっていますので
踊ることはできません」
家来が事情を説明した。
すると王女は退屈そうにあくびをもらして言った。
「よいですか、今度、わたくしのところに連れてくるものは
心臓のないものにしなさい」
とまあ、だいたいこれが
ワイルドの童話「王女の誕生日」のあらすじです。
一部アレンジしている部分もあります。
なぜだか突然思い出してしまった夏の夕暮れ